【医師監修】40代から要注意!大腸がんの初期症状と原因・なりやすい人の特徴を解説
大腸がんは、日本人にとって身近な「がん」の一つです。特に40代を境に発症リスクが高まりますが、初期症状が乏しいため、異変に気づいたときには病状が進んでいるケースも少なくありません。
本記事では、最新の統計データに基づいた大腸がんの現状と、なぜ発見が遅れやすいのかという医学的・心理的な背景を詳しく解説します。早期発見のための正しい知識を身につけ、ご自身の健康を守る一助としてください。
40代から増加する大腸がんの罹患率と死亡率

大腸がんは現代の日本人にとって決して他人事ではない疾患です。食習慣の変化や高齢化を背景に、罹患数・死亡数ともに高い水準で推移しています。
大腸がんは早期発見時の生存率が高い一方で、働き盛りで検査を後回しにしがちな40代以降での発見の遅れが課題となっています。以下の内容に沿って大腸がんの罹患率と死亡率について解説します。
- 年間15万人以上が発症、40年前の約6倍に増加
- 大腸がんはがん死亡原因で「女性1位・男性2位」という事実
年間15万人以上が発症、40年前の約6倍に増加
国立がん研究センターの統計情報(2021年)によると、大腸がんの年間罹患数は約15.4万例に達しています。1980年代と比較するとその数は約6倍にまで急増しており、日本人が一生のうちに大腸がんと診断される確率は、男性で10人に1人、女性で12人に1人とされています。背景には以下の要因が関係していると考えられています。
- 食の欧米化: 赤身肉や加工肉の摂取増、高脂肪・低食物繊維な食事
- 生活習慣の変化: デスクワーク増加による運動不足、肥満、過度の飲酒
大腸がんはかつて日本人には少なかった病気ですが、現在は「国民病」の一つと言えるほど身近な存在です。特に働き盛りである40代からの増加は顕著であり、変化した現代の生活習慣に合わせた早期の対策が求められています。
大腸がんはがん死亡原因で「女性1位・男性2位」という事実
大腸がんは罹患数が多いだけでなく、死亡率も高い病気です。厚生労働省の統計や国立がん研究センターのデータによると、大腸がんによる死亡数は男女計で約5.4万人となっています。部位別の死亡原因では、女性で第1位、男性でも肺がんに次いで第2位という、深刻な状況です。
大腸がんは早期発見できれば生存率が高い疾患であるにもかかわらず、死亡数が多いという事実は、適切な時期に治療が開始されていないケースが多いということが示唆されます。特に、40代・50代の現役世代が「忙しさ」を理由に検査を後回しにすることが、救えるはずの命を危険にさらす大きな要因となっている可能性があります。
なぜ大腸がんは「進行してから」見つかるのか

大腸がんは早期発見時の5年生存率が90%を超える一方で、実際には約4割の人がステージ3以上の進行がんで見つかっています。理由として、大腸という臓器の解剖学的な特徴や、痛みを感じにくいために受診を先延ばしにしてしまう人間の心理的バイアスが複雑に絡み合っています。大腸がんの発見が遅れてしまう4つの具体的な理由をまとめます。
- 理由1|初期は自覚症状がほぼない
- 理由2|症状があっても「よくある不調」や「ただの痔」と誤認されやすい
- 理由3|便潜血検査の受診率が低く、陽性でも放置されやすい
- 理由4|肝臓や肺など、転移先のがんが先に見つかるケース
理由1|初期は自覚症状がほぼない
大腸がんの最大の特徴の一つは、初期段階では痛みが全く現れないことです。大腸の粘膜には痛みを感じる神経が少なく、腫瘍が粘膜内にとどまっているステージ0〜1の段階では、たとえ体内で異変が起きていても本人がそれを察知することは困難な場合が多いです。
がんが成長し、腸の管腔を塞ぐほど大きくなって便秘や下痢を繰り返したり、がんの表面が崩れて出血したりして、初めて「違和感」として自覚されます。痛みなどの症状が出てから病院の受診をしたときには、がんが周囲の組織やリンパ節へ広がっている可能性が高く、早期発見の好機を逃している可能性があることを理解しておく必要があります。
理由2|症状があっても「よくある不調」や「ただの痔」と誤認されやすい
血便などの兆候が現れても、多くの人は「いつもの痔が悪化しただけだ」と自己判断することがあります。特に40〜50代は多忙による不規則な生活で痔を患う人も多く、出血を「ありふれた不調」として片付けてしまうリスクがあります。しかし、大腸がんと痔には以下の混同しやすい特徴があります。
- 出血の性質: 痔と同様、排便時に鮮血が出ることがある(特に直腸がん)
- 痛みの有無: どちらも初期は痛みを伴わないことが多い
- 症状の波: 症状が一時的に収まることがあるため「治った」と誤解する
こうした誤認により、専門医の診察を受けるまで半年から1年以上経過してしまうケースが少なくありません。痛みのない出血こそ、大腸がんを疑うべきサインの一つである可能性があります。
理由3|便潜血検査の受診率が低く、陽性でも放置されやすい
国は便潜血陽性後の精密検査受診率90%を目標としていますが、現在の全国値は約71.5%にとどまり、約3割の人が検査を中断しています。特に深刻なのが40代女性で、陽性判定を受けた人の26.6%(約4人に1人)が精密検査を受けずに放置しているという調査結果が出ています。放置される背景には、以下のような心理が働いています。
- 「自覚症状がないから大丈夫」「たまたま切れただけ」という思い込み
- 内視鏡検査に伴う苦痛や恥ずかしさへの不安
- 仕事や家事で再検査のための時間を確保しにくい
陽性判定は「がんの疑い」を知らせるサインの可能性があります。陽性判定の段階で精密検査を受ければ、がんになる前のポリープを切除し、発症そのものを防ぐことが期待できます。
理由4|肝臓や肺など、転移先のがんが先に見つかるケース
大腸は血管が豊富な臓器であり、がん細胞が血流に乗って他臓器へ広がりやすい性質があります。大腸からの血液は「門脈」という太い血管を通って肝臓へ運ばれるため、転移先として最も多いのが肝臓です。
大腸そのものには目立った症状がないまま、健康診断の腹部エコーで肝臓の異常が指摘されるケースもあります。他にも、進行した肺転移による咳などの症状で検査を受けた結果、初めて原発巣が大腸であることが判明するというケースも珍しくありません。
他臓器の症状で発見される場合は、すでに病状が進んだ状態です。治療の選択肢を広げるためには、無症状のうちに内視鏡検査で原発巣を見つけて対処することが大切です。
大腸がんの進行スピードとステージ別生存率

大腸がんは比較的進行が穏やかながんとされていますが、放置すれば病状は進行し、命に関わるリスクが高まります。早期に発見できれば完治も期待できますが、進行度(ステージ)によって生存率や治療に伴う負担は大きく変動します。大腸がんの進行スピードやステージ別の生存率について、以下の内容に沿って解説します。
- 大腸ポリープががん化するまでの期間
- 大腸がんのステージ別の5年生存率の比較
- 大腸がんのステージ別「治療費」と「入院期間」の違い
大腸ポリープががん化するまでの期間
大腸がんは良性の「腺腫(せんしゅ)」というポリープが、時間をかけて段階的にがん化することで発生する場合があります。一般的に、小さなポリープが1cm程度の大きさに育ち、さらにがん化するまでには、およそ5年〜10年程度の長い年月がかかると考えられています。
進行の緩やかさは、定期的な検査でポリープのうちに見つければ、がんを未然に防げるという最大のチャンスでもあります。しかし、一度がん化した細胞が腸の壁の深い層(固有筋層など)にまで浸潤すると、進行スピードが早まり、リンパ節や他臓器への転移リスクが上昇します。症状のない初期段階で対処することが、将来の大きな負担を回避するために大切です。
大腸がんのステージ別の5年生存率の比較
大腸がんの予後(治療の見通し)は、発見時のステージに強く依存します。2024年の国立がん研究センターの集計データによると、早期であるステージIで発見された場合の5年相対生存率は90%を超えており、適切な治療によって良好な経過が見込まれることがわかります。以下の表は、進行度に応じた5年生存率の目安をまとめたものです。
| ステージ | 状態の目安 | 5年生存率 |
|---|---|---|
| ステージI |
粘膜〜固有筋層にとどまる(転移は認めない) |
93.1% |
| ステージII |
腸の壁を突き抜けているが転移なし(転移は認めない) |
76.4〜88.3% |
| ステージIII |
リンパ節への転移がある(他臓器転移は認めない) |
65.8〜77% |
| ステージIV |
がん浸潤の深さやリンパ節転移に関わらず、多臓器への転移を認める |
15〜26.7% |
ステージIとステージIVでは、生存率に約2〜5倍もの大きな差が生じます。いかに無症状のうちに検査を受け、早期に発見できるかが生死を分ける分かれ道となります。
大腸がんのステージ別「治療費」と「入院期間」の違い
がんが進行するほど、身体への侵襲だけでなく、経済的・時間的な負担も重くなります。早期であれば日帰りの内視鏡手術で済みますが、進行がんでは外科手術や長期間の化学療法(抗がん剤治療)が必要になるためです。ステージに応じた一般的な治療負担の目安は以下のとおりです。
| ステージ | 入院期間目安 | 入院費用目安 |
|---|---|---|
| ステージ0〜Ⅰ |
日帰り〜10日程度 |
内視鏡治療の場合:約2〜5万円 |
| ステージⅡ〜Ⅲ |
入院期間7日〜14日程度 |
腹腔鏡・開腹手術:約20〜40万円 |
| ステージⅣ |
通院・入院を継続 |
月数万円〜(高額療養費制度を利用しても長期継続) |
※費用は自己負担3割の概算です
※上記費用は目安であり医療機関・治療内容・入院日数により実際の費用は異なります
※高額療養費制度の適用により、月の自己負担に上限が設定される場合があります
※費用の詳細は受診先の医療機関にご確認ください
進行がんでは最新の薬剤を使用する場合もあり、治療費が膨らむだけでなく、仕事との両立が困難になるリスクも高まります。早期発見・早期治療は、自分らしい生活を維持し、家計へのダメージを最小限に抑えるための防衛策となる可能性があります。
大腸がんの発症リスクを高める主な原因とリスク因子

大腸がんは生活習慣病としての側面もあり、日々の食生活や活動量が発症リスクに関与している可能性があります。日本人のライフスタイルが変化したことで、かつては少なかった大腸がんが最近では急増しています。リスク因子を理解することは、自分自身の発症リスクを客観的に評価し、具体的な予防行動につながる可能性があります。
医学的に証明されている主な原因とリスク因子について以下の内容に沿って詳しく解説します。
- 食生活の欧米化(赤身肉・加工肉・高脂肪食など)
- 生活習慣の乱れ(運動不足・肥満・過度の飲酒・喫煙)
- 遺伝的要因・家族歴(親族に大腸がんの経験者がいる場合)
食生活の欧米化(赤身肉・加工肉・高脂肪食など)
牛・豚・羊などの赤身肉や、ハム・ソーセージといった加工肉の過剰摂取は、大腸がんのリスクを高めることが国際がん研究機関(IARC)によって指摘されています。これらの食材に含まれる飽和脂肪酸の過剰摂取は、胆汁酸の分泌を増やし、腸内細菌によって発がん物質へ変化するリスクがあると考えられています。
一方で、食物繊維の摂取不足も大きな課題です。野菜や穀類に含まれる食物繊維は、便通を整え腸内の発がん物質を薄めて排出する役割を担っています。リスクを抑えるには、肉類を控えめにし、バランスの良い日本古来の食生活を見直すことが推奨されます。
生活習慣の乱れ(運動不足・肥満・過度の飲酒・喫煙)
生活習慣の乱れも、大腸がんの発生に関わっています。研究によると、身体活動量(運動)が高い人ほどリスクが低下し、逆に肥満や過度の飲酒、喫煙はリスクを高めることが示唆されています。
| リスクを高める要因 | リスクを下げる要因 |
|---|---|
|
肥満(特に男性の結腸がんリスク) |
適度な運動(ウォーキング等) |
|
過度の飲酒(エタノール換算週150g以上) |
バランスの良い食事 |
|
喫煙 |
禁煙 |
特にアルコールは、体内で分解される際に出るアセトアルデヒドに発がん性があるため、節度ある飲酒が重要です。日常の活動量を増やし、体重を適正に管理することは、がん予防だけでなく全身の健康維持にも直結するといわれています。
遺伝的要因・家族歴(親族に大腸がんの経験者がいる場合)
親や兄弟姉妹などの近親者に大腸がんの経験者がいる場合、統計的に発症リスクが高くなることがわかっています。共通の遺伝的背景だけでなく、家族で似通った食習慣や生活環境を共有していることも影響しています。
血縁者に大腸がんを患った方がいる場合は、たとえ自覚症状がなくても早めに内視鏡検査を受けるなどの対策が有効な場合があります。自分自身のルーツを知ることが、早期発見・早期治療のために大切です。
【参考】大腸がんで亡くなった・進行がんで見つかった著名人一覧
大腸がんを公表し闘病体験を情報発信されている方や、惜しまれつつも亡くなられた著名人の事例をご紹介します。彼らの歩みやメッセージを振り返ることで、私たちが自身の健康を守るために何ができるのか、改めて考えてみましょう。
進行がんで見つかり闘病・活動されている著名人
※以下の情報は公表・報道された情報にもとづきます。
| 芸能人名 | 説明 |
|---|---|
| 桑野信義 |
2020年に直腸がん(ステージ3b)と診断。「血便を痔だと思い込み、約3年も受診を放置した」と公表。大手術や抗がん剤治療を乗り越え、現在は人工肛門を閉鎖して活動中。 |
| 橋爪淳 |
2024年2月に大腸がん(ステージ3)と診断。約1年前からの血便や便意の異常を放置してしまった経験を告白している。切除手術と抗がん剤治療を受けつつ、俳優活動を継続。 |
| 鳥越俊太郎 |
2005年(当時65歳)に直腸がんが発覚。その後、肺や肝臓への転移も見つかり計4回の手術を経験したが、現在もがんサバイバーとしてメディア出演や講演活動を行っている。 |
| 内田春菊 |
2015年に直腸がんが判明し、人工肛門(ストーマ)を造設。自身の闘病体験やストーマでのリアルな日常を漫画作品として描き、積極的な情報発信と啓発活動を行っている。 |
| 松本人志 |
2026年7月に大腸の腫瘍切除手術を受けたことを所属事務所が公表。本人も配信で、血便が続いたことをきっかけに受診し大腸がんが発覚したと語り、人工肛門(ストーマ)を造設したことを明かした。退院後も活動を継続している。 |
大腸がんで亡くなられた著名人
※以下の情報は公表・報道された情報にもとづきます。
| 芸能人名 | 説明 |
|---|---|
| 今井雅之 |
2015年5月に54歳で逝去。亡くなる前月の4月に、末期の大腸がん(ステージ4)であることを自ら記者会見で公表し、懸命な闘病生活を送っていた。 |
| 島田陽子 |
2022年7月に69歳で逝去。亡くなる3年前に大腸がんを発症。入退院を繰り返しながら闘病を続けた末、大腸がんによる多臓器不全により亡くなった。 |
| あき竹城 |
2022年12月に75歳で逝去。約2年前から大腸がんを患っていたが、「元気な姿で挨拶したい」という本人の希望から周囲には病気を公表せず活動を続けていた。 |
| 真矢(LUNA SEA) |
2026年2月に56歳で逝去。2020年にステージ4の大腸がんが発覚し、後に脳腫瘍も公表。7回の手術や治療を受けながらステージ復帰を目指し闘病を続けていた。 |
| 東野圭吾 |
2026年7月に68歳で逝去。大腸がんのため亡くなったことが、逝去後に講談社の発表により明らかにされた。生前に闘病の事実は公表されておらず、葬儀は家族葬にて執り行われた。 |
| 中村ゆり |
2026年9月に44歳で逝去。13年前に患ったがんは寛解していたが、2025年1月に再びがんが見つかり、手術後に転移が判明。2026年8月に腸閉塞を再発して余命宣告を受け、直腸がんのため亡くなった。 |
これらの事例は、大腸がんの症状がいかに「日常的な不調」や「痔」などの疾患と見分けがつきにくいかを浮き彫りにしています。痛みや出血といった身体からのサインに頼るのではなく、40代以降のリスクの高まる時期に、大腸カメラ検査を受けることは、有効な選択の一つとなる可能性があります。
大腸がんを早期発見・診断するために必要な検査

大腸がんは早期に発見すれば高い確率で治癒が期待できる疾患ですが、適切な検査を定期的に受けることが大切です。検査には、目的別にさまざまな種類があります。早期発見から診断確定までに必要な主要な検査について、それぞれの特徴と役割を以下の内容に沿って詳しく解説します。
- 確定診断とポリープ切除ができる「大腸カメラ(内視鏡検査)」
- 一次検診として推奨される「便潜血検査(検便)」
- 内視鏡が苦手な方向けの「大腸CT検査」
- 転移や広がりを調べる「MRI・PET・超音波検査」
確定診断とポリープ切除ができる「大腸カメラ(内視鏡検査)」
大腸カメラ検査の最大の特徴は、単に病変の有無を確認するにとどまらず、疑わしい部位があれば組織を採取して確定診断を行ったり、将来がん化するリスクのあるポリープをその場で切除したりできる点にあります。
粘膜の微細な色や形の変化を直接確認できるため、他の画像検査では発見が難しい病変も見逃しにくく、精度の高い診断が期待できます。事前の下剤服用といった準備は必要ですが、鎮静剤を適切に使用することで身体的な苦痛や精神的な不安を最小限に抑え、リラックスした状態で検査を受けられます。
一次検診として推奨される「便潜血検査(検便)」
便潜血検査は、目に見えない微量な血液が便に混じっていないかを調べる、手軽な「がん検診」の一つです。主に40歳以上を対象とした自治体の対策型検診で採用されており、食事制限の必要もなく自宅で採便するだけで済みます。
| 判定結果 | 推奨される対応 |
|---|---|
| 陰性 (-) |
定期的な継続受診(通常1年後) |
| 陽性 (+) |
大腸カメラ検査による精密検査が必須 |
陽性と判定された場合、そのうち数%にがんが、約30〜40%にポリープが見つかるとされています。しかし、早期がんでは出血しないことも多いため、1回の陰性判定で安心せず、毎年継続して受診することが発見率を高めるポイントです。
内視鏡が苦手な方向けの「大腸CT検査」
大腸CT検査(CTC)は、内視鏡を挿入することなく、CT装置を使って大腸の3次元画像を作成し、病変を診断する検査法です。肛門から少量の炭酸ガスを注入して腸を膨らませた状態で撮影します。
内視鏡のような挿入に伴う身体的負担が少ないため、ご高齢の方や、過去の検査で内視鏡の挿入が困難だった方に適しています。大腸全体だけでなく、周辺の臓器の状態まで同時に確認できるメリットもあります。
ただし、病変が見つかった場合には確定診断のために別途大腸カメラ検査が必要となることや、組織採取ができない点に留意が必要です。検査時間は10分程度と短く、身体への侵襲を抑えたい場合の有力な選択肢の一つとなります。
転移や広がりを調べる「MRI・PET・超音波検査」
主に大腸がんと診断された後、その「広がり」や「転移の有無」を詳細に把握し、最適な治療方針を決定するために行われる画像検査です。
- MRI検査: 特に直腸がんにおいて、周囲の臓器(膀胱や子宮、前立腺など)への浸潤度を精密に判別しやすい
- PET-CT検査: 全身を一度に撮影し、隠れた転移巣や再発の兆候を捉えやすい
- 超音波(エコー)検査: 肝臓への転移やリンパ節の腫れをリアルタイムで確認しやすい
複数の検査を組み合わせることで、がんの進行度(ステージ)を正確に判定し、患者さん一人ひとりに合わせた精度の高い治療計画(手術の範囲や薬物療法の選択)を立てることが可能になります。
大腸がんを疑うべき受診のサイン:血便・便通異常・体重減少など

大腸がんは初期は無症状なことが多いですが、進行に伴い身体から何らかのサインが出ている場合があります。初期の兆候を「単なる疲れ」や「いつもの痔」と見過ごしてしまうことが、発見を遅らせる要因になる場合があります。
血便や便通の変化、説明のつかない体重減少などは、腸内からの重要なサインである可能性があります。大腸がんが進行すると、腫瘍による出血や腸管の狭窄(せまくなること)により、以下のような具体的な症状が現れやすくなります。
| 症状 | 具体的なサイン |
|---|---|
| 便の異常 |
血便(鮮血〜暗赤色)、便が細くなる(狭窄)、残便感 |
| 排便習慣の変化 |
便秘と下痢を繰り返す、急な便通の変化 |
| 全身・腹部の症状 |
原因不明の体重減少、貧血、腹痛、おなかの張り |
「便が細くなる」のは、がんによって腸の通り道が物理的に狭まっていることを示している可能性があります。慢性的な出血による貧血や、がんがエネルギーを消費することによる体重減少は、病状が進行している際によく見られる症状の一つです。
症状が一つでも当てはまる場合や数週間続く場合は、自己判断で市販薬を使用せず、速やかに消化器専門医の診察を受けることをおすすめします。
国分寺南口駅前おなかとひふのクリニックの大腸カメラ検査の特徴

国分寺南口駅前おなかとひふのクリニックでは、苦痛の少ない高度な内視鏡検査を提供しています。当院の大腸カメラ検査の特徴について以下に沿ってまとめます。
- 鎮静剤を使用し、苦痛や痛みに配慮した検査
- 忙しい方に適した「早朝・土日対応」および「胃と大腸の同日検査」
- トイレ付き完全個室をご用意(院内での下剤服用に対応)
- AI画像診断支援システム(CADEYE)と専門医による高精度な検査
- 女性医師の在籍と、プライバシーに配慮した検査着
鎮静剤を使用し、苦痛や痛みに配慮した検査
当院では苦痛や痛みによる負担を和らげるため、鎮静剤(静脈麻酔)を使用した検査を行っています。鎮静剤により、うとうとと眠っているような状態で受けられるため、苦痛だけでなく精神的な緊張が軽減されます。
検査中は生体モニターで全身状態を常に監視し、専門医が安全性を最優先に検査を行っています。終了後はストレッチャーで寝たままリカバリールームへ移動し、麻酔が覚めるまでゆっくり休憩いただけます。「気づいたら終わっていた」と感じるような、心身への配慮を徹底したスムーズな検査体制を整えています。
忙しい方に適した「早朝・土日対応」および「胃と大腸の同日検査」
仕事や家事で多忙な40〜50代にとって、検査のために平日の日中を確保することは容易ではありません。当院ではライフスタイルに合わせた利便性を追求し、以下のような診療体制を整えています。
- 朝8:30からの早朝検査に対応
- 土日・祝日でも検査を実施
- 胃と大腸の内視鏡を同日に検査可能
24時間web予約にも対応しており、国分寺駅徒歩1分という立地のため通院しやすい環境です。忙しさを理由に健康管理を後回しにすることなく、無理なく検査を行える体制を整えています。
トイレ付き完全個室をご用意(院内での下剤服用に対応)
大腸カメラ検査を受ける際、「下剤を飲んでいる最中にトイレが間に合わなかったら」「自宅で具合が悪くなったら」といった不安を抱える方は少なくありません。
当院では、トイレ付きの完全個室を院内に完備し、プライバシーが守られた空間で周囲を気にすることなく落ち着いて検査前の準備を行っていただけます。気分が優れないときや処置がスムーズに進まない場合も、看護師・医師がその場で対応できるため、自宅や移動中にひとりで不安を抱える必要がありません。
「下剤がつらい」という大腸カメラ検査最大のハードルを、安心な準備環境と専門スタッフのサポートで乗り越えていただける体制を整えています。
AI画像診断支援システム(CADEYE)と専門医による高精度な検査
当院では富士フイルム社製の最新システム「CADEYE」を導入しています。AIがリアルタイムで病変を検出し、専門医の目とダブルチェックを行うことで、微細な病変の見落としリスクを低減します。粘膜の色調変化を強調する特殊光観察も併用し、質の高い診断を追求しています。
女性医師の在籍と、プライバシーに配慮した検査着
女性医師による検査が可能で、同性ならではの細やかな配慮を徹底しています。露出を最小限に抑える専用パンツやバスタオルを用意し、プライバシーの守られた空間で検査を行います。受診のハードルを下げ、安心して早期発見の機会を得られる環境を整えています。
40代を過ぎたら、症状がなくても定期的な大腸カメラ検査を
大腸がんは、早期発見により治癒が期待できる一方で、女性の死因第1位、男性の第2位を占める身近な病気です。40代から罹患率が急増しますが、初期には自覚症状がほとんどありません。
「痛くないから」「自分は痔だから」という自己判断は、手遅れを招く可能性があります。将来の自分と大切な家族を守るために、40代を迎えたら自覚症状の有無にかかわらず、定期的な検査を受けることを推奨します。国分寺おなかとひふのクリニックは、患者さんの負担をできるだけ抑えた大腸カメラ検査を実施しています。お気軽にご相談ください。
参考文献
- 国立がん研究センター - がん統計(大腸)
- 国立がん研究センター - 大腸がんファクトシート
- 厚生労働省 - 職域におけるがん検診について
- OLYMPUS - 胃・大腸がん検診と内視鏡検査に関わる意識調査白書2021
- Bouvard V, et al.Carcinogenicity of consumption of red and processed meat.Lancet Oncol,2015,16,16,p.1599-1600
- Chu AH, et al.Dietary-Lifestyle Patterns and Colorectal Cancer Risk: Global Cancer Update Programme (CUP Global) Systematic Literature Review.Am J Clin Nutr,2025,121,5,p.986-998
- Goosenberg E, et al.A Review of Hereditary Colorectal Cancers.StatPearls,2025


